夜の10時すぎ、コンビニの駐車場で、ふと自分の車を見た瞬間に血の気が引いたことがあります。
鍵が、車の中にある。
ドアは全部ロックされていて、開きません。エンジンもかけたまま、荷物も鍵も、全部車内に置き去りです。
スマホで「鍵 閉じ込め 業者」と検索しようとした指が、少し震えました。今すぐ誰かを呼びたい。でも、誰でもいいわけじゃない。
もしこの検索で、変な業者に当たってしまったら――。
そう考えたら、急に怖くなったのを覚えています。
私は今まで、鍵の閉じ込め、バッテリー上がり、パンクくらいしかロードサービスのお世話になったことはありません。幸い、ぼったくりのような怖い思いをしたことはないです。
でも、車のトラブルというのは「まさか自分が」というタイミングで、必ずやってきます。今日は大丈夫でも、来月はわかりません。
そして今、ネットで検索してロードサービスを呼んだ人が、想像以上のお金を請求される、というトラブルが増えています。
「バッテリー上がり、基本料金2,480円〜」
そんな表示を見て安心して呼んだのに、作業が終わったら請求は5万円、7万円、時には20万円を超えることもあるそうです。
焦っているときほど、人は冷静な判断ができません。だからこそ、トラブルが起きる「前」に、危ない業者の見分け方を知っておく。これが一番の備えになります。
この記事では、私自身の経験も交えながら、ロードサービスのぼったくりを避けるための5つの見極めポイントを、できるだけわかりやすい言葉でお伝えします。
なぜロードサービスのぼったくりが増えているのか

「そんな高額請求、めったにあることじゃないでしょ?」
正直、私も少し前まではそう思っていました。
でも調べてみると、状況は思っていたより深刻でした。
国民生活センターという国の機関が発表した資料によると、ネットで検索したロードサービス業者への苦情は、2022年度だけで前の年の3倍以上に増えているそうです。
しかも、被害に遭っているのは車のトラブルに慣れていない20代や学生が多いと報告されています。
つまり「自分はまだ大丈夫」と思っている人ほど、危ないということです。
手口はだいたい同じパターンです。
スマホで検索すると、「基本料金2,480円〜」のような安い金額を大きく出している業者が、検索結果の上の方に出てきます。
安いし、今すぐ来てくれそうだし、迷わず電話してしまう。
これが、そもそもの落とし穴です。
なぜなら、その「〜」の後ろに、実際の請求額を大きく膨らませる仕組みが隠れていることが多いからです。
次の見出しで、その具体的な手口を5つに分けてお伝えします。
ぼったくり業者に共通する5つの特徴
実際に高額請求されてしまった人たちの話には、共通のパターンがあります。ひとつずつ、見ていきましょう。
① 到着してから、次々と追加料金を言い出す
電話では「基本料金だけで大丈夫ですよ」と言っていたのに、実際に来てみると話が変わります。
「これは特別な作業になるので、追加で○万円かかります」
その場に来てもらっている以上、「じゃあ、やっぱり結構です」とは、なかなか言い出しにくいですよね。この「後からじわじわ増える」感じが、一番怖いところです。
② 聞き慣れない名前の料金をたくさん並べてくる
「緊急対応費」「祝日対応費」「深夜割増」……。
こう言われると、なんだか納得してしまいそうになります。でも、こうした項目は、事前に何も説明されていなければ、あとから付け足された料金である可能性が高いです。
言葉が難しそうに聞こえるほど、逆に「本当にこれ必要なの?」と、心の中で立ち止まってほしいところです。
③ その場でサインや現金払いを急かしてくる
「早く決めてもらえますか」「今は現金でお願いします」
こう畳みかけられると、断る余裕がなくなってしまいます。ホームページにはカードも振込もできると書いてあったのに、その場になると現金しかダメと言われた、という話もあるほどです。
急かされているときこそ、一度深呼吸してほしい場面です。
④ 「保険で全額返ってきますよ」と簡単に言う
「うちは保険会社と提携しているので、あとで全額戻ってきます」
そう言われて安心して契約したら、実際は提携していなかった、という相談も報告されています。その場で確認できないことを、簡単に約束してくる業者は、少し警戒したほうがいいかもしれません。
⑤ 電話の時点で、金額の話をはっきりさせない
「来てみないと分からないですね」
もちろん、車のトラブルは状況によって変わるものです。でも、まったく金額の目安を教えてくれない業者は、後から高額請求される可能性が高いと言われています。
こうして見ると、どの特徴にも共通しているのは「その場の焦りにつけこんでくる」ということです。
私も鍵を閉じ込めたときのあの心細さを思い出すと、こうやって少しずつ畳みかけられたら、断れる自信は正直ありません。
だからこそ、こうした手口を「知っているだけ」で、心の準備ができます。
もしその場に居合わせたらどうする?(見極めの実践)

さっき紹介した5つの特徴、知っているだけでも心強いです。でも実際にトラブルの真っ最中は、頭が真っ白になってしまいますよね。
そこで、いざという時に「これだけ覚えておけばいい」という、シンプルな行動を3つにまとめました。
① 電話の時点で、必ず「合計でいくらか」を聞く
「基本料金はいくらですか?」だけで終わらせず、
「今の状況だと、全部でだいたいいくらになりそうですか?」
と聞いてみてください。
ここで金額をぼかしたり、「来てみないとわからない」の一点張りだったりする業者は、少し立ち止まって考えたほうがいいサインです。
② キャンセルできるかどうかも、電話で確認しておく
「もし金額に納得できなかったら、キャンセルできますか?」
これを最初に聞いておくだけで、業者の対応がだいぶ変わります。ちゃんとしている業者なら、普通に答えてくれます。逆に、この質問をはぐらかされたら要注意です。
③ 「ちょっと待ってください」と言う勇気を持つ
現地で急に高い金額を言われたとき、一番大事なのはこれです。
「一度、家族に電話してから決めます」
たったこれだけで大丈夫です。契約を急かしてくる業者ほど、こう言われると急に態度が変わることがあります。逆に、この一言すら許してくれない業者は、かなり危ないと思っていいです。
私自身、鍵を閉じ込めたときは幸い普通の業者さんに来てもらえて、料金もその場で説明してもらえました。でも今振り返ると、あの時もし「合計いくらですか」を聞かずに、言われるまま作業をお願いしていたら、と少しヒヤッとします。
焦っている自分を、もう一人の自分が横から見ているつもりで、この3つを思い出してもらえたらと思います。
万が一ぼったくられてしまったら
どんなに気をつけていても、その場の空気に押されて契約してしまうことはあります。もしそうなってしまっても、まだ諦めなくていい場合があります。
クーリングオフが使える可能性があります
「契約したらもう終わり」と思われがちですが、業者が自宅や現地に来て契約したケースは、「訪問販売」というルールにあてはまることがあります。
実際に、広告では2,480円と書いてあったのに14万円請求された事例で、行政の委員会が「これは訪問販売にあたる」と判断し、全額の返金で話がまとまったケースも報告されています。
つまり、「安い金額を見て呼んだのに、実際はまったく違う高額な金額だった」という場合は、契約をなかったことにできる可能性があるということです。
ただし、すべてのケースに当てはまるわけではないので、ここは自己判断せず、専門の窓口に相談するのが確実です。
まずは消費者ホットライン「188」に電話してみてください
「188(いやや!)」という番号にかけると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
「これって払わないといけないんですか?」
「もう支払ってしまったけど、取り返せますか?」
そんな相談でも大丈夫です。一人で抱え込まず、まずは声に出して聞いてみてください。
高い請求書を前にすると、「自分が悪いから仕方ない」と思ってしまいがちです。でも、悪いのは焦りにつけこんだ業者側であって、あなたではありません。そのことだけは、覚えておいてほしいです。
そもそも「安心して呼べる」ロードサービスとは
ここまで、危ない業者の見分け方をお伝えしてきました。でも、一番シンプルな対策は「そもそも、迷わず呼べる先を先に決めておく」ことだと思います。
いざという時にスマホで一から検索して、知らない業者に賭けるのと、
「困ったらここに電話すればいい」
と決まっている安心感は、まったく違います。
代表的な選択肢は、この3つです。
JAF(日本自動車連盟)
会員になっていれば、料金はあらかじめ決まった範囲内で、現地で追加料金を言われる心配がありません。バッテリー上がり、パンク、鍵の閉じ込め、燃料切れなど、よくあるトラブルに幅広く対応してくれます。
自動車保険に付いているロードサービス
すでに自動車保険に入っている人は、実はロードサービスが無料でついていることが多いです。契約している保険会社に確認してみると、「え、これ無料だったの」と気づくこともあります。
ディーラーのロードサービス
新車や中古車を買ったお店に、ロードサービスが付いていることもあります。こちらも一度、契約書類を確認してみる価値があります。
私自身、鍵の閉じ込めやバッテリー上がりを経験して思うのは、「呼ぶ先が決まっている」というだけで、あの時のパニックがだいぶ違ったはずだ、ということです。
まだ何も入っていないという方は、この機会に一度、自分の車にどんな備えがあるか、確認してみてください。
\ 入会金・年会費の詳細はネットで簡単に確認できます /
JAFの公式サイトで入会内容を見てみる
まとめ
今日お伝えしたことを、3つだけ振り返ります。
- ぼったくり業者は、「その場の焦り」につけこんで、後から追加料金を積み上げてきます
- 電話の時点で「合計いくら」「キャンセルできるか」を聞くだけで、危ない業者はかなり見分けられます
- もし高額請求されても、クーリングオフや消費者ホットライン188という逃げ道があります
車のトラブルは、誰にでも「まさか自分が」というタイミングでやってきます。
今日この記事を読んでくれたということは、もう「知らなかった人」ではなく「知っている人」です。それだけで、いざという時の落ち着き方が、きっと変わってくると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、あなたの「もしも」の備えに少しでも役立てば嬉しいです。


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